イマーシブオーディオライブ配信分野では、コスト・時間・手間・現場スペースの物理的制約などの理由から、導入を断念するケースが多く見受けられます。この課題を解決するため、IP技術を活用した効率的かつ高品質な制作手法の検証を進めています。
リモートプロダクションの目的を「効率化」だけでなく、これまで実現が困難だった場所でのイマーシブオーディオライブ配信の可能性を探ることとし、実用化に向けて取り組みを実施しています。ライブ制作から配信までワンパッケージでのサービス提供を目指しています。
高臨場感音響を視聴者に届ける手段としてイマーシブオーディオが注目を集める一方、時間や手間、コストの課題やスペースの制約で従来型制作方法では対応が難しいという声が高まっていました。そこで、これまで培った音声中継車のノウハウを活かし、イマーシブオーディオとIPを融合させて、よりコンパクトで効率的な制作・配信の実現を目指しました。
これまで3回の実証実験を実施し、安定した伝送、制作、配信を実現しています。
設営・撤収時間の短縮、作業スペースの縮小
制作環境構築の点で従来と比較して大幅な設営時間短縮と現地設営機材の削減により、
作業スペースの大幅縮小を実現。イマーシブオーディオライブ制作の効率化に成功しました。
コンテンツの質の向上
中小規模ライブハウスでは物理的制約により音響制作環境が限定されますがT-2音声中継
車など既存のスタジオを活用することで、音響特性に優れた環境での制作が可能となり、
コンテンツの質向上を実現しました。
低コスト化・リードタイムの削減
ネットワーク回線には一般公衆回線を使用し、専用回線と比較して大幅なコスト削減を
達成しました。また回線開通の期間短縮により企画立案から実施までの日数を大幅に短縮
しました。
早期実用化に向けて、準備を進めています。実用化に向けて、冗長化や遠隔地間のコミュニケーションの課題解決に向けて実際のライブ会場、公演を使用した実証実験を実施しています。 その中で生まれる多くの課題を解決していく事により、リモートプロダクション制作が一般的になっていくと考えます。近い未来、リモートプロダクションが当たり前となり、これまで視聴者が触れることの出来なかった素晴らしいコンサートやイベント、スポーツを没入感高く体感できる仕組みづくりに継続して取り組んでいきます。