Our Service

イマーシブ音響とIPプロダクション

概要

2023年12月にT-2音声中継車を更新し、イマーシブオーディオライブ制作、リモートプロダクション制作に対応しました。これまで開発した「OctaMic」やMPEG-H 3D Audio配信/受信システムを組み合わせて、よりコンパクトでクオリティーの高いイマーシブオーディオ制作~配信をワンパッケージで実現します。

開発のきっかけ

高い臨場感を視聴者に届ける手段としてイマーシブオーディオが注目を集める一方、時間や手間、コストの課題やスペースなどの物理的制限から導入を諦めているという声を聞きます。そこで、これまで私たちが取り組んできたイマーシブオーディオノウハウとAoIPを組合わせて、よりコンパクトでクオリティーの高い制作を実現出来ないかと考えました。

技術の紹介

【制作】
・NHKテクノロジーズ T-2音声中継車を使用したイマーシブオーディオライブ制作。
・狭小地など音声中継車の留め置きが難しいライブハウス、イマーシブオーディオ制作環境を構築することが難しいコンサートホールなどで、リモートプロダクションを実現。現場にはステージボックスだけを設置して、遠隔地にあるT-2音声中継車で音声をミクシング。
・ネットワーク回線は一般公衆回線を使用することで回線敷設に掛かる時間とコストを削減。

リモートプロダクションイメージ図
遠隔地用リモートフェーダー

【配信】
Spin Digital Video Technologies GmbH 及び株式会社スピンデジタルアジアパシフィックと共同開発した、22.2ch音響に対応するMPEG-H 3D Audioフォーマットを採用したリアルタイム エンコーダー/デコーダー/プレーヤーソフトウェアを使用。
8K映像とともに、22.2ch音響のMPEG-H 3D Audioをクラウドサーバー経由で複数の遠隔地へ配信し、高音質と高臨場感を保ったまま、受信側の任意のスピーカーレイアウトに対応した立体音響での視聴を実現。
イマーシブオーディオの制作から配信までワンストップで提供することが出来ます。

実績・成果

IBC 2022やInterBEE2022-23でMPEG-H 3D Audio 配信/受信システムの実機展示やデモンストレーションを実施。2023年12月にT-2音声中継車を更新。AoIP、イマーシブオーディオ制作に対応した。

2023年に実施したN響「第9チャリティーコンサート」の実証実験では、T-2音声中継車で制作したイマーシブオーディオ音声をMPEG-H 3D Audio、DolbyAtmos、AURO 3D、HPLの複数フォーマットでパブリックビューイング会場や個人向けデバイスに向けて同時配信に成功した。

配信パブリックビューイング
配信小規模パブリックビューイング

今後の展開

イマーシブオーディオの制作から配信/受信まで一体のサービスを展開していきます。狭小地など音声中継車の留め置きやイマーシブオーディオ制作環境を構築することが難しいライブハウスやコンサートホールなど、これまでイマーシブオーディオ制作を実施することが困難な場所で、IPリモートプロダクションを活用しながら、よりコンパクトで高品位なイマーシブオーディオ制作環境を提供出来るよう努めていきます。

共同開発等

共同開発(MPEG-H 3D Audio 配信/受信システム)
Spin Digital Video Technologies GmbH,Spin Digital Asia Pacific

協力
SolidStateLogic Japan,輝日株式会社,株式会社コルグ,Fraunhofer IIS