Our Service

NHKテクノロジーズが創出するイマーシブオーディオ ソリューション
「MPEG-H 3D Audioで身近になる立体音響視聴体験」、「仮想空間音響表現」

開発のきっかけ

「22.2ch音響を手軽に体感したい」という声が多くあり、その手段が長年検討されてきたが、22.2ch音響を簡便にパーソナルな場面で楽しむ手段は未だ少ないのが実情。イマーシブオーディオを視聴環境に合わせて受信側で変換することで、視聴者に高い臨場感や没入感を届けたい。

技術の紹介

Spin Digital Video Technologies GmbH 様及び、株式会社スピンデジタルアジアパシフィック様と共同で、22.2マルチチャンネル音響(以下22.2ch音響)に対応するMPEG-H 3D Audio(Level4 : オブジェクトベース音響方式)フォーマット(※1)を採用した、リアルタイム エンコーダー/デコーダー/プレーヤーソフトウェアを開発いたしました。

*1 2023年7月 総務省により次世代地上デジタル放送の基本仕様として音声符号化方式MPEG-H 3D Audio(Level4)が採用されました。

システム系統図

8K映像とともに、22.2ch音響のMPEG-H 3D Audioをクラウドサーバー経由で複数の遠隔地へ配信し、高音質と高臨場感を保ったまま、受信側の任意のスピーカーレイアウトに対応した立体音響での視聴を実現しました。例えば、配信側で22.2ch音響(24ch)の音声信号を配信し、受信側の再生環境が5.4.1chのスピーカー環境であれば、5.4.1chに、タブレット・スマートフォンなどのヘッドホン視聴であれば、バイノーラル(ステレオ)に変換して再生されます。

実績・成果

IBC 2022やInterBEE2022で実機展示やデモンストレーションを実施。InterBEE 2022では、渋谷の東京本社より幕張のブースまでリアルタイムでネットワーク配信する実証実験を実施。渋谷側に設置した8K再生機で22.2chMPEG-Hコンテンツを配信、クラウドサーバ(AWS)を経由して幕張で5.1.4chストリーミング再生。会期中の3日間ほぼ途切れることなく映像音声を配信することに成功しました 。

展示の様子:IBC2022展示風景
展示の様子:IBC2022展示風景

来場者からは「スピーカー数が減っても十分臨場感を感じられる」「22.2ch音響を身近に感じた」といった好評の意見を多数頂きました。

今後の展開

サービス展開について

MPEG-H 3D Audioの制作から配信/受信まで一体のサービスを展開していきます。

外部企業、団体との連携

MPEG-H 3D Audioをより多くの方に楽しんでいただくためには、デコーダー/レンダラーを搭載した機器、ソフトウェアの普及、そして視聴者を惹きつける魅力的なコンテンツが必要不可欠です。コンテンツホルダー、配信事業者、ソフトウェアメーカー、音響機器メーカーなどと連携し、臨場感あふれるコンテンツ制作の推進と共に、デコーダー/レンダラーの搭載を目指していきます。

共同開発
Spin Digital Video Technologies GmbH Spin Digital Asia Pacific
協力
Fraunhofer IIS、NewAudioTechnology