Netflix映画『10DANCE』
制作技術の紹介
概要
当社が制作技術に参加するきっかけになったのは、撮影チーフの佐々木が、NHKのドラマ制作に実績のある大友啓史監督と石塚紘太プロデュ―サーから打診を受けたことから話が進みました。
佐々木から当社での座組を提案し交渉を重ね、撮影、照明、DITを任せていただくこととなりました。
技術の紹介
<照明>
照明技師 鈴木岳のコメント
「魂と魂のぶつかり合い!」 社交ダンスという初めての題材に、役者もスタッフも手探りの状態から始まりました。社交ダンスとは?10DANCEとは?台本を何度も読み返し、ダンスを何度も見学し、照明の最適解を見出そうと思いましたが、杞憂でした。 役者陣の練習量と質は日ごとに過酷さを増し、メキメキと切れを増していき、情感が胸に突き刺さる。そのダンスを見る度に、最適解、適切、適性、そんな言葉に当てはめられない「魂」を心から感じ、「魂をこめて全力で立ち向かわないといけない覚悟」が必要でした。枠にとらわれず、事前設計に捉われず、現場の空気、役者の魂を感じ取る。その一瞬でしか感じる事のできない空間を感じ取りライティングしていく。まさに杓子定規なものではなく、魂と魂のぶつかり合いで二度と同じ事が生まれない映像が完成しました。
照明フロアチーフ 佐藤璃玖のコメント
「現場の最前線で感じた、強烈な”熱”」
照明スタッフを主導する”チーフ”という立場で制作に携わりました。
鍛錬を積み、凄みを纏う役者陣のダンス、それに呼応する映像を次々と生み出す映像制作のプロフェッショナル集団。役者と最も近い距離で照明を作り上げる中で感じたのは、想像を超えた圧倒的な熱量でした。“熱“に突き動かれた結晶である作品映像。是非”熱“を感じていただけたらと思います。
<DIT>
DITチーフ 齋藤祐樹(バル・エンタープライズ)のコメント
「フレームの中の一体感!」 4K-HDR制作の場合、グレーディングを想定した素材状態を保つことが求められます。通常の709をモニタリングしながら階調を残しただけの映像を撮るのではなく、完成に限りなく近いコントラストのバランスで収録することが根底にあり、より良いLookにするために、どこで適正をコントロールするかが重要になります。 全体の照度バランスや色温度設定を基本とし、現場シチュエーションや監督のオーダーによって被写界深度をどこに持っていくか、その際どこにカメラ設定を持っていくか、現場では常にリアルタイムに求められました。カメラ/レンズ/LUT/照明あらゆる知識を総動員し、現場の橋渡しとなれるように注力しました。 今回はDITがその役割を果たすため、コミュニケーション、スタッフワーク、スピード感、あらゆるものを重視して、事前準備、カメラテストも早い段階で各セクションと打ち合わせを行い、衣装部やメイク部、装飾部とも密に連携を取ってフレームの中の一体感を目指しました。

<撮影>
チーフ(Aカメラ)佐々木達之介のコメント
皆、歩み、思考、意思が違う
だから、面白い
その面白さを掴む為に、日々何を探求模索していくか…
私には、それが『10DANCE』
サブチーフ(Bカメラ)階戸万里のコメント
10DANCEの現場は、想像力に満ち溢れた、いわば我々もキャストと一緒に踊るようなダンスステージでした。リハなし本番。毎回わずかに変わる芝居の機微を感じ取り、全力でフレームを切る。私も本気で向き合いました。気を抜けば、一瞬で置いていかれそうで。 技術チームは、ほぼ知った顔とはいえ、NHK以外のプロダクションとの仕事は初めてで不安がありました。しかし、一度現場に入ると、そんな不安よりもチームの熱が勝っていて、気づいたら自分も輪の一部になっていました。皆が本気で良い映像を作ろうと、細部まで気を抜かない徹底した作り込み。1クルー制で現場にほぼいることもあり、この映画は自分の一部のように感じています。 チーム全体が毎日限界まで挑む姿を見て、自分は果たして出し切れているのか?と問い続けました。弱音を吐く日もありましたが、それでも「この作品は必ず面白くなる」という確信だけは揺らぎませんでした。その熱量はきっと画面に残っています。ぜひ、お楽しみに。